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幕末太陽傳 [映画]

1957 日本
02/02(金) 13:00 -
NHKBSプレミアム|112分

名作と評価の定まった作品。これを最初からちゃんと見るのは初めて。

いろいろな有名俳優が出ているが、ここでびっくりしたのは梅野泰靖が結構大きな役をやってること。昔から著名だったのか。なお映画でのデビュー作らしい。
石原裕次郎は苦笑いしたくなるほど、石原裕次郎っぽい役柄、役作り。これしかできないのではと思えるし、また彼の出ていない作品に、このようなキャラクターってあまり出てこないようで、彼しかできない役柄のように思う。

多くの落語をかなり忠実に、でもそのままではなく演出を加え、主人公を中心にひとつの物語にしている。その落語群はたとえば『居残り佐平次』『品川心中』『三枚起請』『お見立て』など。さらに登場人物の名前や設定から落語のネタを想定させるものも多くある。大工長兵衛の娘おひさが借金のカタに品川の遊郭旅籠で働かされているというのは「文七元結」だし、その旅籠の若旦那、徳(梅野泰靖)が吉原で放蕩三昧なんてのは「よかちょろ」「船徳」なんかを思い起こす

テンポがよい。「デジタル修復版」とのことで音声も画像も良い。

いまNHKでやってる「超入門!落語 THE MOVIE」を思い起こした。こちらは落語初心者向けに落語をそのまま映像化したもので落語家の口跡に役者がアテブリをするというもの。アテブリでなくやると、この映画のようになるのかなとも思うが、これは一本の映画作品であり、そういう意味では当たり前だが、相当の演出が入っている。とくに落語に関係のない石原裕次郎演じる高杉晋作のパートなんかはそう。こここそが作りたかったところ、というようなことはないだろうが、そういうところに思想性を感じる。
談志が既存の落語に別の解釈を施していたが、そういうことに通ずるようにも思った。
そういえば今作品の一番のバックボーンである「居残り佐平次」。これを談志は落語の最高傑作のひとつとしており、佐平次が肺を患い品川で養生するためにやってきたという設定を一切省いたことを思い出した。見てる分にはただそれを言わないだけで小さな変化のように見えるが、結構大胆な設定であり、でもそうしなければならなかった談志の考えもわかる。談志信者だったころはその解釈の変更にしびれて、これこそ絶対だと思っていたのだが、今ではその解釈が絶対だというつもりもないけど