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フェーム [映画]

1980 アメリカ D
12/19(土) 00:15 NHKBSプレミアム|135分

群像劇という種類のもので、芸術高校に入学したたくさんの若者がそれぞれそれなりに時間を取って描かれる。序盤から中盤まで誰が誰だかなかなか見分けられず苦労。見終わってみるとそれなりに整理はでき、難しい話ではないのだが、ただ、それほど盛り上がりもない。
見終えてからいくつかのサイトで調べてみると理解できていなかったいくつかのことにも気付く。
それなりに各役柄が頭に入った今もう一度見れば、とりあえず人を取り違えることはないのだろうな。

アイリーン・キャラが出ており、ヌードも披露(自称映画監督に騙されて)。
アイリーン・キャラという人はとにかく「フラッシュダンス」のヒット曲。というかそれしか知らない。そしてヒットしていた当時も、映画に出ていないので、顔立ちもよく知らない、というか「フラッシュダンス」の主演の女優の顔がアイリーン・キャラという名前を聞くと思い浮かぶほどだ。
でも白人ではなく、また黒人でもないことはなんとなく知っていたな。調べてみると、「プエルトリコ系の父とキューバ系の母を持つ」とのこと。

比較的現実にありえそうな、現実をベースにした作品なのだが、突然ミュージカルになる部分があって、自分にミュージカルという意識がなかったものだから、「なんでいきなり歌いだすん?」という感じがした。その場面は食堂で全員が息を合わせて歌い踊りだす場面、そしてタクシー運転手のブルーノの父親がブルーノの曲を道路上で流し、それに合わせて道路に出て車の上に乗っかり皆が踊る場面、こちらではスピーカーを取り外されても音楽が鳴り響いたまんまだ。
まあ、ミュージカルと思えば、それはどうでもいいんだが

炎のごとく [映画]

1981 日本 C
11/27(金) 13:00  NHKBSプレミアム|150分

主演の菅原文太一周忌に合わせた放映だろう。
監督の加藤泰最後の作品。
力のこもった良い作品であった。

最初の場面で「会津の小鉄」こと仙吉(演・菅原文太)とおりん(演・倍賞美津子)の二人が長く映し出されるので、この二人の物語かと思ったが、今作品は二部構成で第1部の最後でおりんは死んでしまう。またその冒頭の場面がかなり芸術的に撮られており、そういう作品かなと思ったが、随所に笑えるユーモラスな場面があった。主人公の小鉄は次郎長の森の石松にも通じる直情径行の愛すべき人格がそれの基になっている。
第2部はその後は小鉄と新撰組の物語に移っていく。

途中で「柗」(木へんに「沿」のさんずいを除いた漢字)ののれんが出てくる。はて? なんという字だろうと調べたみたら「松」の異体字とのこと。商号なのだろう。その場面は船が出るのを待つ場面であったので、「船」という字かなと思ってしまった。

近藤勇と交友を温める場面で刀の話題が出てくる。両者が「こてつ」という刀を持っているのだ。調べてみると「小鉄」ではなく、「虎徹」だそうだ。そこから「会津の小鉄」を仙吉は名乗ったのだろう。

菅原文太は『獅子の時代』と同時期の撮影だったという。

芹沢を襲撃する場面。あぐりの両親である八百屋夫婦がとどめを刺した後、近藤が持ってくる首は誰のなんだろう。芹沢を八百屋夫婦が殺し、その首を前に近藤が話すという演出なのだろうか。なにか二人殺されてるように見えてしまった。

泣いてたまるか 日本で一番もてない男/男はつらい [泣いてたまるか]

09/19(土) 14:00 BS12トゥエルビ|120分
一度感想を書いたはずだが記事を間違えて削除してしまったようだ。。。
記事をヒットできるように一応このタイトルで記事を登録

■:男はつらい
長距離トラックの運転手の源吉。ある日、助手の稔を隣に乗せて東京へと戻る途中に、若い男に襲われている女を助ける。女は、弘子といい、両親を亡くし引き取られて先の親戚に、好きでもない相手と結婚させられそうになり、逃げてきたという。ヒッチハイクで東京に行こうとしたら襲われたらしい。そんな弘子に説教しつつも、自分のアパートに連れて帰り、泊まらせてやることに。自分は、会社の寮で一晩を過ごした。翌朝、友でトンカツ屋のコックをしている一郎が、源吉のもとを訪ねてきた。源吉のアパートにいる弘子を見て驚く一郎。そんな一郎の顔を見て、源吉は一郎の働くトンカツ屋で弘子を雇って貰おうと思い立ち・・・

■日本で一番もてない男
まじめが売りのサラリーマン八田万作は、大きな悩みをかかえていた。というのも、何度お見合いをしても毎回一方的に断られてしまうのだった。田舎の母親からさんざん結婚しろとせっつかれているものの、お見合いも失敗続きで親不孝もののままでいた。そんなある日、部長から「君と交際したがっている女性がいるから」とつれていかれた先で紹介されたのは、社内のマドンナでもある部長秘書の絢子だった。そこからはあっという間に話が進み、万作と絢子の甘い新婚生活が始まったのだった。社内の人間たちは、どうみても不釣り合いなふたりを手放しで祝うこともできずにいた。万作の部下からは祝いの席で酔っぱらいながらなにかあるんじゃないかと探られ、たしなめる始末。しかし、万作本人も疑問に思っていることがいくつかあったのだ。以前デパートで偶然絢子を見かけたときに男物の靴下を買っていたことや、もともと持っていたからと絢子が新居にもってきたのはダブルベッドだった。意を決して絢子に直接問いかけるが・・・

I am Sam アイ・アム・サム [映画]

2001 アメリカ C
12/25(金) 13:00  NHKBSプレミアム|133分

これはどうなんだろうなあ。目を離せなくなり、一気に見たしそれなりに面白かったとは思うが、どういう制作意図なんだろう。7歳児並みの知的障害者の男が父親として娘と一緒に暮らしたいと願うという話。
父親役のショーン・ペンの知的障害の演技は上手いし、子役のダコタ・ファニングは上手いし愛らしい。カメラのカット割りも視覚的に刺激的で斬新な部分もあり、そうでありながらわかりやすい。
しかし、この作品の一番重要な主題部分、知的障がい者のその障害度合いがひどすぎて全然共感を持てず、むしろ、(ひどい言い方になるが)こんなの町に出すなよなどと思ってしまう。
そもそもこのような重度の知的障害者が一般生活するのだろうか、と考えると、それはまああるだろう。ただそれが父親として片親として娘を育てるなんて状況になるのかなあ。この映画では、宿目当てのホームレスと結ばれてしまい、というようなことなのだそうだが、それなら中絶。アメリカだと中絶はできないとかあるのか。ううむ。
そしてそのようにひどい状況だから公的機関が親から引き離し子供を引き取るというのも充分理解できるので、悪の公的機関から子供を取り戻すというような形には見えない。もしそのように見せようとしているのだとしても、それは無理。ここらへんが大きな疑問。このくらいひどくても、社会は受け入れるべきというメッセージなのだろうか
弁護士を頼むあたりの描写は良い。特にこのような件は普段なら扱わない女性弁護士は訪ねてきたサムを最初迷惑そうにしていたが、それがちょっとした見栄で、パーティ中に訪ねてきたサムを友人から「誰? 清掃業者?」と尋ねられ、「顧客よ、無料奉仕、わたしは無料奉仕をやってるのよ」と答えてしまい引けなくなるというあたりから、サムに連続して迷惑をかけられるという展開はスピード感もありうまく出来ている。
公的機関は里親を探し出し、娘は里親と。サムは今度はそこから取り戻す闘いに移り、結末は里親の近所に引っ越してきたサムを娘は夜な夜な訪ね、それを見た里親が父娘の愛の絆に折れるという展開。最後どうなったかは具体的には描かれていないので、どういう風に決着したのか、途中の台詞で出てきた「共同親権」あたりだろうか、サムが娘を引き取り里親をやってくれていた家がサムのサポートに回るというような形か。
それでも違う目線で見れば、サムが里親の近所に引っ越してきたというのだって相当気持ち悪いと思うがね。

またサムの5人の同じような境遇の友人というのが気持ち悪くさらに嫌悪感が増す。

サムは最初スタバで働いており、後にピザハット。障がい者を優先して雇うというような制度を利用してのことだろうか。

サムはビートルズが好きで、ビートルズのことになると博識で饒舌。という設定から、音楽はビートルズのカバーバージョン。この映画のための録音だろうか。

箸を持っての食事の場面あり。箸ってポピュラーなのだろうか

黒い十人の女 [映画]

1961 日本 C
12/10(木) 13:00 NHKBSプレミアム|105分

監督が市川崑、和田夏十のオリジナル脚本
一人の男性とそれに関係する10人の女性の話で、その登場人物の名前には特段気を留めなかったが、ウィキの項目をコピーする
風松吉:船越英二
石ノ下市子:岸恵子
風双葉:山本富士子
三輪子:宮城まり子
四村塩:中村玉緒
後藤五夜子:岸田今日子
虫子:宇野良子
七重:村井千恵子
八代:有明マスミ
櫛子:紺野ユカ
十糸子:倉田マユミ
名前は1から10までを文字っている。じゃあ6の虫子、9の櫛子は? というと、読みで「むしこ」「くしこ」と「む(6)」「く(9)」いうことだろう。
なんとも不思議な味わいのある作品。モノクロ
オープニングのキャストクレジットでは主要登場人物が短い映像つきで紹介され、期待が高まる。
冒頭がよくわからなかったが、後半の一場面を冒頭に持ってきているという演出。
ストーリーは各種サイトにあるままで、風松吉を妻も含み関係のある10人の女性が殺そうと計画し、妻はそれを旦那に咎められ、女性グループを裏切り、旦那と芝居をして煙をまく。そして・・・といった内容。
どことなく現実感が希薄であるが、それは登場人物がどこかふわふわしているところからくるものか。市子と双葉の松吉殺害計画なんてのは後の台詞でもあるように、そういう起こり得ないことを語り合ってるのが楽しいという風情。夫婦の殺害計画の偽装の相談なんかもそうだ。
脇で伊丹十三(伊丹一三名義)や、ハナ肇とクレイジーキャッツなど

船越英二はこれのちょっと前に見た同じ市川崑の「野火」では後年の風貌が全然なくわからなかったと書いたが、ここではよく知っている船越英二。「野火」は髭面ということだけなのかもしれないけど、見直してみてもやっぱ全然違う

女優陣はとにかく自分が持っている印象より若い。中村玉緒、岸田今日子なんかはアップになるとわかるのだが、しばしばこれって中村玉緒かなあ、岸田今日子かなあと思ってしまった。というのもこの10人の女というのが細かく描かれるわけでないので、誰が誰だかみたくなってしまうのだ

赤めだか [テレビドラマ]

12/28(月) 21:00 TBS1|145分

感想を雑多に
・音楽がだめ。なんであんな選曲なんだろ。談春の趣味かもしれないが。ストーンズ中心に洋楽ロックが多い。たしか1曲目がスティービーワンダーの「迷信」。タイトルが出る場面でストーンズ「ジャンピンジャックフラッシュ」。とくにひどいと思えるような選曲もいくつかあった、特にストーンズで。アンジーなんかもかかったが、このドラマが描く世界と全く関わりなしだと思う。
日本のポップスも。ここらは曲名はわからないがそれこそ談春の趣味なのかもしれない。
RCのスローバラードも違和感あったな。たしか談志が志らくに教えてる場面でそれを談春が立ち聞きして、談志の意図を自分なりに悟るという重要な場面、そこであれがかかると耳がそちらへいくぶん逸らされる。演技を、映像を見てほしくないのだろうか。
・薬師丸ひろ子がナレーション。若き談春の実家の部屋には彼女のポスターが。これは実際そうだったのだろうか。
・談志のたけし役。うーーーーーーん。たけしまんまじゃんか。それと、口跡が今のたけしはどうしても病後の人のそれ。当時の談志はこうじゃんかった感。
魚河岸と落語がつながったと談春がいう場面、魚屋の親父が「ひとよ、ひとよ、ひとよ、ひとよ、、、」と金を数え、その場面と談志の「芝浜」が重なるんだが、たけしが「ひと、ひと、ひと、、」とたどたどしく言われてもなあ。談志は「ひとよ、ひとよ、ひとよ、ひとよ、、、」って演ってたよ
・原作は読んだがあまり覚えていないので、以下は間違ってるかもしれない
①談春と談秋というの原作の重要な登場人物だったはずだが、ドラマのダンボールというのが原作の秋だったような気がする。
②評論家の林先生って実名? 仮名だとしたら誰だろ。あんなエピソードあったっけ? 評論家に前座が無礼を働き、戻ってきた師匠が評論家を怒鳴りつけるってのは鶴瓶にあったが。
・さてその鶴瓶はナビゲーターだかの立場で冒頭とラストに立ちの一人喋り。談志の病気中のエピソード二つ。どちらも知っているもの。
・有名どころがたくさん出ていたらしく見逃した人も多そう。というのも、すし屋の大将がさだまさしなのに、ぎりぎりで気付いて、豪勢だなと思った。調べてみると、今野浩喜が出ていたそうだが、見逃したなあ。

この時代、いや正確にいえばドラマの舞台のあとの時代、談春の二つ目時代というのが僕が談志に超ハマったときで、そのころの思いがこみ上げてしまい、ドラマとしての評価は冷静にはとてもできない。というか同じ時代の空気を吸った時代設定だけに、「これは違うなあ」というほうばかり目につくが、見てる最中は、楽しく見た。

おれが見ていた時代は、談坊、談春、志らくの3人が談志の二つ目という認識だったなあ。その中でも、やはり談春、志らく。ひとり会で変わりばんこに出ていたような印象。あのころは志らくのが大きく買われていて、そして真打昇進で志らくが抜くんだよな。あのころの談春の高座でのそれにたいする言葉もよく覚えている。そう、談春の真打昇進くらいまでだったな、おれが夢中で談志を見ていたのも。

放映のあった日は別の録画を長時間見ていたので、これを見るのは翌日にしようと思っていたが、夜に酒を飲まなかったこともあり、目が冴えていたので、真夜中から見始めて、結局最後まで一気

必殺からくり人・血風編 [必殺]

放映データ
テレビ埼玉で2015/12/09(水)から12/23(水)まで全11話

舞台が江戸時代末期の薩長と幕府との争い前夜の品川。ということでなにやら騒々しく、幕府側の取り締まり係がせわしなくおりくの店や品川の町中に登場してくる。また騒乱の世ということでええじゃないかを歌い踊る町民というのも出てくる。
からくり人という名ではあるが前作と登場人物や設定での関わりはない。ただ音楽は前作と同じものを使っているので見てる側が感じる雰囲気はある面似ている。
内容は前作が必殺において異色作だが意欲作だと思うが、こちらも雰囲気としては異色の内容。考えてみると必殺の世界観として、安定の世情、固定化された身分制度というのが背景、それゆえの恨みというのが殺しの理由となっており、今作品はそこらへんがかっちりとした安定の世情でないゆえ、殺しに説得力が薄い。オープニングナレーションには「きのう勤皇 きょう佐幕きのうホントで きょうはウソ」。天長・官軍側であろうと、公方・幕府側であろうと、どちらが恨みの対象として殺されようとそれが絶対権力でないからスカッとはしないというようなことを見ているうちに思いついた。それでもうまく悪役の悪どさが描かれていればうまくはいくんだろうけど、ここを時代背景とするとそういう問題に気がつく。

制作背景として、次作の新・必殺仕置人の遅れから、この企画が立ち上がったということがある。

殺しの技では土左ヱ門が銃を使うというのはつまらない。直次郎は足指で人の首の骨を折るというものなのだが、毎回出るわけでなく、短刀で刺すというような普通の殺しも行うので強烈な印象にまではならない。新之介の針で相手の首筋を刺すというのは必殺ではお馴染みの感があるが、その針が裁縫で使うようなやつなので小さくて目立たない。
シリーズが11話で短く、殺しを行わない回や、毎回3人ともが殺しを行うわけでもないということ、さらに土左ヱ門にしろ、直次郎にしろ固定化した殺し技でないことから印象としては地味

新之介役がピーターというのは彼の本名からそのまま取ったのだろう。
芳太郎というのはおりくの婿なのだが、第1話と2話だけ。入れてみたはいいが使い道がなかったのかフェイドアウトといったところ。

第1話 「魔窟に潜む紅い風」
お国 - 宮本信子
宮本信子がゲスト。またレギュラーで吉田日出子と個性的な名女優が出てきて、期待が高まる。話はちょっとわかりにくい。薩摩藩の武家の嫁・お国が江戸にいる旦那に子供を連れ会いに来るが品川の関所が抜けられず、裏から関所手形を手に入れるが、手形を融通した相手の一味に連れ去られ暴行された挙句殺されてしまう。その敵討に立ち上がるという内容。

第2話 「非道にたてつく紅い刃」
お梅 - 浅香光代
品川心中をヒントにしただろう作品。そういえば今シリーズの舞台は品川だった。
浅香光代は彼女のキャラクターを生かした肝っ玉母さん風。色情魔で年増の芸者役。
殺しの場面は「ええじゃないか」に混じって行われるのであるが絵がガチャガチャしていてわかりにくい。二人を殺すのであるが、ということになると、最初に実行した新之介の技では殺せていないということになる。

第3話 「怒りが火を噴く紅い銃口」
源三 - 江幡高志
江幡高志は冒頭からラスト近くまで出てくるが、あまり見せ場なし。伊勢屋の番頭で直次郎の遊び友達。
直次郎は土左ヱ門に不信感を持っているおりくから探るよう命ぜられ、彼もまた同じように思っており、土左ヱ門と一緒に行動している。その二人の追いかけっこが今話のほとんどすべて。
伊勢屋に強盗が入る。直次郎の幼馴染が何人か殺されそれが伊勢屋の強盗と関連があるらしく、また伊勢屋と土左ヱ門がつながっているらしいことを探り当てた直次郎。土左ヱ門を抜いたからくり人グループは直次郎の恨みを晴らそうと伊勢屋一味を狙うが、そこに加勢してきたのはライフルを持った土左ヱ門だった。
最後の殺しの場面は大勢を相手にする。新之介の技(直次郎の技もそうかもしれない)は一人一殺のときに映えるもので、こういうところでは不向き。一応殺しを行ってはいるが。
ライフル様のもの、火縄銃ってことはないだろうけど、銃身の長い銃でバンバンと何回も撃つのには萎えた。というより必殺に、特に仕事人側に銃は似合わない。

第4話 「大奥の天下に挑む紅い声」
弥七 - 松山照夫
勘八 - 阿藤海
井筒屋 - 岩田直二
直次郎が主役。
大奥の15代将軍の世継ぎを巡る権力闘争。染井の自分の子を世継ぎにするための陰謀。
大奥に上がっていた女が世継ぎの権利のある子を連れ逃げ出し、その子を直次郎が拾ってしまうところから話が始まる。第2話でも第3話でもあった「金にならない仕事」をまたやらざるを得なくなってしまうことになるが、今話では直次郎が金を出し、しかしその金は返金され、仕事のついでにお金を拝借したという展開。いまのところ、「必殺からくり人」や「」で感じたような話の展開の無理さ「必殺必中仕事屋稼業」は感じない。
松山照夫、岩田直二はともに必殺のほかの作品で印象深い役をやっていたという記憶がある。
ウィキでの直次郎の記述--
捨て子だった彼を拾って育てたのは女郎だったため、女郎には優しいが反面、その仲間の女郎から性的虐待を受けたために女嫌いでもある(第2話)
--
これが具体的に語られるのは今話。第2話では具体的に育ててくれた女郎が直次郎を拾って育てたんだよと語る場面はあるが、性的虐待うんぬんの話はない

第5話 「死へ走る兄弟の紅い情念」
おりくが主役の回。
紺次郎は羅紗緬のお香を連れて逃げ、川に飛び込み心中。両方助かりお香はお咎めなし、紺次郎は晒し者にされた上で死刑。紺次郎の兄、洋三はおりくとかつて恋仲であったが、おりくが稼業を継ぐためか、洋三が新徴組に入り京へ向かったためか、別れてしまった。
晒し者になっている弟の前に洋三が現われ、おりくとも再会、過去についても明かされる。
仕事は刑に向かう紺次郎を奪うというもので殺しはなし。新之介とおいねを連れたおりくが刑に向かう列に立ちはだかり、止まったところで土左ヱ門がライフルをぶっ放す。この仕事では直次郎は絡んでこない。

第6話 「悲恋を葬る紅い涙」
お栄 - 鮎川いづみ
蛙の彦六 - 春風亭柳朝
宇佐美源四郎 - 剣持伴紀
必殺ではお馴染みの鮎川いづみにあっと驚く柳朝の登場。役柄は鮎川いづみが芸者で柳朝は太鼓持ち、二人は夫婦(芸者太鼓持ちのくっつきあいはご法度なので隠している)という関係。
柳朝については顔はそれほど見たことがなく、また落語もそれほど聞いていない。ので最初登場したときはわからなかったが、やけに目立つように演出されており、これは有名人だなと、そして見進めていくうちに、これは芸人だな、これは落語家、あ、見覚えある少しの記憶と、聞き覚えのある少しの記憶か、これひょっとして柳朝じゃないかなどと思う。先にキャストクレジットを見てしまおうかと思ったが、それは我慢した。
柳朝の師匠は8代目林家正蔵、後の彦六だが今話は彦六襲名前だ、これもすごい。
冒頭の囃し歌、途中の囃し歌(こりゃまた、猿股、ステテコパッチ)は由来があるのだろうか。明治に流行ったと言われるステテコ踊りかと思ったが調べてみたらこれは違うな。
鮎川いづみは後年の加代のようなキャラでなく、美人という面をクローズアップさせたキャラで純情な芸者。確かこれより前にもゲスト出演はあってそのときも後年のようなキャラでなく今回のような設定に近かった。

第7話 「恨みに棹さす紅い精霊舟」
精霊村源二郎 - 樋浦勉
楫取吾兵衛 - 浜村純
密偵 - 牧冬吉
おいねが今話で退場。ということもあり主役。客と惹かれあい、着いていくことになるが、その実像は・・・。一方おりくの方でも違う方向から仕事として調べていくと、おいねが着いていった男が浮かび上がり、救出に向かうことになる。おいねは命は助かるが、この後の作品には出てこない。
吉田日出子は今シリーズではレギュラーということで、ところどころではキャラクターを生かした面白い場面もあるのだが、大きくフューチャーされては来なくて不満だったが、ようやっとというところ。

第8話 「帰らぬ愛に泣く紅い旅」
縫 - 高杉早苗
おはつ - 大谷直子
浄吉 - 綿引洪
浄吉によって女郎にさせられたおはつは、かつては武家に奉公に出ており、左近とは結婚約束もしていた。左近が京へ赴任となり、はつはやけになり奉公先を辞め、浄吉と結ばれたのだった。
女たらしで女を売り買いする男とそこから抜けられない女。こういう話は必殺に限らず時代劇全般、いや、現代劇にもよくあるテーマ。ひとつ思うのは、「簡単に別れればいいだけじゃん」と思うのだが、どうだろうか。それの妨げになっているのはなんなのだろうか。例えば借金によって縛られてるというのはあるだろう。また今話で伺えるのは、身体の相性ということも考えられる。でも後者は結びつけの論理としてはちょっと弱いか。なぜ、支配されてるかのようになってしまうのかが考えてみるとよくわからない。今話でそういう疑問でめちゃくちゃになっているということではなく、芝居の上手さもあり、充分見られる作品ではある。
殺しは新之介のみが担当

第9話 「小判が眼をむく紅い闇」
儀兵衛 - 菅貫太郎
おさよ - 八城夏子
武 - 石山律雄
枕探しの被害に遭った男 - 芝本正
芝本正はクレジットでは「男」となっているほんのチョイ役。おさよに被害を被った男役。
石山律雄は盲人の按摩。「按摩」が規制用語なのかカットされていたようだ。これが登場のところで嫌な笑いを浮かべていて悪役かと勘違いしたが、最後まで善玉役であった。武はおさよと相思相愛。しかしおさよは裏では相当の悪。ひとつわからなかったところがある。武は金を大いに貯めているが、そのありかを聞き出せと兄に言われおさよが気のないそぶりながらも聞き出し、それを隣で兄が聞いているという状況。その際、武は「ボクには怖い守り神がついてるんだよ」と言うのだが、その次の場面で金を盗み出そうとしている兄がギャーッと叫び倒れる場面。これが最後に謎解きされるのかと思ったがなにも説明されなかった。
菅貫太郎は一番のお得意の狂気の殿様・代官という役柄とはちょっと違い、商家の次男。長男が官軍(これは偽者で官軍を騙っている)への献金を断ったことで殺され、自分の代となる。
おさよを金で買い二人いるところに、また官軍を騙っていた男たちがまた金をせびりに来た。秘密を聞かれたということでおさよを殺し、また儀兵衛はその男たちも殺す。武の依頼でからくり人は儀兵衛を殺す。

第10話 「とらぬ狸の紅い舌」
栄吉 - 平泉征
釜屋 - 西山嘉孝
おたね、おまきという白濱屋の従業員が準レギュラー。他にもいたかもしれない。キャストクレジットで一応気がついてはいたが、どっちがどっちとか気にもならない単なる集団の一部分と行った役柄で、こういうキャラクターはあまり作品の中でクローズアップされることはない。例えば、『必殺仕置屋稼業』でおはつ、るみ、のぞみというのがいる。おはつは主水とコント的やり取りをやる飯屋の娘で目立つ存在だがそれでもストーリーには絡まない。るみ、のぞみというのはおこうの髪結屋の従業員だが、どちらがどっちというのは意識にもかけない。で、おたねもおまきもそんな存在だと思っていたのだが、今話ではおたねが、そして次の回ではおまきが重要な役割を担う。
おたねはおよし、栄吉夫婦と同郷で幼馴染だが、おたねのほうはずっと下層階級。おたねは栄吉に惚れており、およしを羨やみ憎んでいる。
栄吉が一攫千金を夢見て江戸に出てくるのだが騙され金を巻き上げられる。そして追い討ちをかけるようにさらに騙されるのだがこの場面はなかなか良い。官軍の塚原兵衛に芝居をしてくれと言われるのだ。塚原は江戸の各町を火にかけようと計画してる一環で品川一帯にもそれが行われると脅し組合から金を巻き上げようとしていた。金を渋る彼らの前に、他の街から同じ理由でお金を届けに来たと栄吉が芝居を始める。その金が足らないと切り捨てる塚原。これで品川の一行に脅しをかけているのだ。
栄吉の敵を取りたいなら金でなんとかしてくる人たちがいるとおよしに伝えるのがおたね。それを困った顔で隣で聞いているのが直次郎という構図が良い。

第11話 「夜明けに散った紅い命」
いよいよ官軍が江戸へ入り、直次郎は官軍の密告役を仙吉から紹介され不本意ながら行っている。白濱屋の従業員おまきが客の男・徳松と恋仲になるが、徳松は彰義隊。直次郎は密告はしないと約束するが、仙吉はその約束を破り密告、徳松は殺され、直次郎はおまきや土左ヱ門から恨まれる。直次郎は自分の身の証を立てようと仙吉に詰め寄るが、逆にからくり人だということまで知られてしまい、官軍に嬲り殺しにされる。土左ヱ門の家まで戻り、おりくに愛の告白の手紙を残し息絶える。
今話の新之助の殺しの場面はとても良い。土左ヱ門は相変わらず銃での殺しであるが、相手(上司にあたるのか、官軍の的場)の自慢する銃を手に取り、色々感触を確認しながら、相手に標的を定め撃つというものでたっぷり時間を取っている。

必殺からくり人 [必殺]

放映データ
テレビ埼玉で2015/11/20(金)から12/08(火)まで全13話

BGMで必殺で聞き馴染みのあるマイナー調のスローな曲がよくかかる。この作品が最初だろうか。「新・必殺仕置人」でかかってたのは覚えてるから「仕置人」が最初かもしれない。仕事人シリーズでもかかっていたような気がする。
殺しの場面のBGMは主題歌のインストバージョン。歌がなくメロディを管楽器が担当してるだけでアレンジはされてない。
第1話の序盤でかなりの時間、ディキシージャズ風のBGM。これのおかげがなんだか明るい雰囲気。オープニングのタイトルのときの音もちょっとコミカル。確認してないが「必殺剣劇人」もこんな感じだったか(調べたら同じものだった)。

凝った映像の演出が比較的多く見られる
話は非常にわかりにくい。ちょっと退屈なこともあり頭に入りにくい。
今シリーズは金を受け取らないで仕事を受けたり、殺しが明確には行われない回(作品上の巨悪配下のものと殺陣があって殺しが行われるが)や、巨悪の自害という回があったりする。
殺し技がイマイチパッとしない。必殺らしいのは天平の火薬を使ったものくらいか。火薬の導火線にに火をつけを相手の口に放り込み、胃のあたりで爆発させるというもの。爆発の瞬間はお馴染みのレントゲン風写真。
あとは殺し方があまり一定でなかったりして、印象が薄い。必殺の場合、ここが一つの見所で、毎回同じものをやって見得を切るというパターンのほうが印象に残りやすい
今シリーズはこれまでとかなり雰囲気が違う。脚本で早坂暁が参加しており、その雰囲気が違うところはそういう意欲作であること、そしてそれはそこそこ評価も受けたが視聴率的には振るわなかったようだ。自分も単純明快なマンネリの中からそれを凝縮したような作品が必殺における傑作だと思うので、この作品はちょっと取っ付きにくいところはあるが悪い作品ではない。「必殺必中仕事屋稼業」は設定で違和感をかなり感じたけど、こちらはそれ以上に変な設定でもあるのだが脚本がしっかりしているせいか、そういう違和感は感じない
1話が長く感じるが、気のせいか、もしかしたら実際に長いのかもしれない。またラストで一件落着した後が比較的長い。後期必殺では一件落着のあと、主水の家のコントで終わるのが定石だったが、そういうコントではなく、依頼人のその後みたいのが描かれるのが新鮮。普段見慣れてる感覚でいると、ここで終わりかなと思うところからもう一幕ある感じである。

間寛平が出ているのに驚いた。とんぼと同じくらいの年齢設定(八丈島からの島抜け場面の映像でふたりとも子供)。必殺には殺しを行わず情報屋という役割があり、へろ松もそうなんだろうけど、ほとんど役に立たない知恵遅れ気味の人物。

時次郎と天平の髪形が似ており、遠くから映した場面では二人を取り違えて見えてしまったこともあった。さらにつけ加えれば、へろ松も同じような髪形だ。

第1話 「鼠小僧に死化粧をどうぞ」
鼠小僧次郎吉 - 財津一郎
主人公グループの元締・壷屋蘭兵衛として芦田伸介。この第1話で殺されてしまい、元締を花乃屋仇吉が引き継ぐという展開。
殺し屋グループはもう一つ「曇り」というのが出てくるがその元締が須賀不二男。この二つのグループは敵対関係で、それが今シリーズのテーマになるのだろうか
壷屋蘭兵衛の殺し屋グループ・からくり人は今話ではもうグループとして仕事を行い何年も経過している模様。島送りになった八丈島から抜け出したのがグループの成員。そのときに、とんぼはまだ子供だったという風に描かれている。
次郎吉が誰かに脅され仕事をさせられており、彼と知り合った時次郎がそれに関わっていき、脱獄の手助けをするという展開。その次郎吉が持っている秘密というのがどでかいものだというのだが、それは時次郎は手に入れられず。だが持ってるふりをして「曇り」と対決する。その秘密というのは「曇り」に関することなのだろうか、今後に話が続くのだろうか、そこらへんがちょっとわからない。
冒頭は現代の新宿あたりの都会で、そこに時次郎が迷い込んだという設定。また、時次郎はカメラ目線でストーリーを語るという狂言回しの役割も演じており、これまでの必殺では確かなかった演出(「必殺仕置屋稼業」のオープニング映像ではあったが)。といっても後年はこういう現代を混ぜるというのは多くなるが。

第2話 「津軽じょんがらに涙をどうぞ」
冒頭はまたもや現代。山田五十鈴が花乃屋仇吉役でなく、本人として登場。楽屋でインタビューを受けており、三味線の弾き方や、今話に登場してくる瞽女(ごぜ)の説明をする。
脇役で宍戸大全がクレジット。「沢村」となっている。宍戸大全はスタッフクレジットで「特技」としてずっと必殺に関わってる人。この人と殺陣の布目真爾という人は時折キャストクレジットにも名を連ねている。確認してみると大抵はほんのチョイ役が多い。
話の出来はいいが今シリーズは金を受け取らず、関わった人の恨みを果たすという形なのだろうか。ちょっと戸惑う。

第3話 「賭けるなら女房をどうぞ」
魚屋の伝次 - 古川ロック
麻吉 - 草野大悟
篠崎頼母(よりも)役は谷口完。この人はよく時代劇で見る顔だ。
麻吉役の人は必殺でよく見る顔のような気がするが、本人のウィキを見ると必殺には二本だけだな。古川ロックという人もよく見ると思ったら「暗闇仕留人」では準レギュラー。この人は古川ロッパの息子。
冒頭は競馬場の時次郎。第1話と同じように狂言回しも兼ねている。
伝次は賭けにのめりこみ女房を女郎屋に取られてしまい、そこへ「曇り」一家の麻吉が絡んでくる。備前屋と「曇り」そして戸田藩・江戸家老・篠崎頼母が結託。
伝次を坊主に仕立てあげ、やらせで奇蹟を起こしてみて、百姓の信頼を得て、百姓一揆を起こさせ、備前屋が事前に買い占めておいた米の値上がりを目論むという計画。
伝次が起こす奇蹟は仕組まれたものなはずなのに、計画外の娘が連れ込んだ母親の目を治してしまい、本当に奇蹟を起こす「生き仏様」になったのかと思わせる展開もあるが、これについては説明はされず。まあ、そんなこともあるさみたいな感じで進行していく。伝次は藩と話し合うため一人で出かけていき撃ち殺される。
篠崎頼母は一揆の責任を取り自害。これは計画通りなのだろう。つまり、この家老は藩の財政を助けるため、備前屋からの借金を備前屋の計画に協力することで帳消しにし、その上で自害するというのが最初からの計画だったのだ。
備前屋に伝次の仕事への金を払わせようと仇吉が乗り込み、金を奪い(命は奪わず)、時次郎が伝次の嫁に渡す。

第4話 「息子には花婿をどうぞ」
安斉利正 - 佐々木功
久 - 原泉
たんす屋の親父として日高久がチョイ役。
ホモの話で陰間茶屋の説明がなされたりもする。
冒頭に「現代」がない演出

第5話 「粗大ゴミは闇夜にどうぞ」
やくざ政吉 - 内田勝正
大前田英五郎 - 金田竜之介
金田竜之介は出番は少ない。ラストは山田五十鈴との芝居合戦。
冒頭は「現代」の夢の島に天平ととんぼ。この二人が兄妹であるかもしれないということが仇吉と藤兵ヱとのやり取りで明かされる。
時代劇部分になっても「粗大ゴミ」という単語が出てきてしまって、時代劇ムードをあえて壊そうとしているのだが、あまりこういうのは好きでない。

第6話 「秘めごとは白い素肌にどうぞ」
長崎屋 - 山形勲
刺青の話。日本地図の持ち出しが禁止されてた当時、オランダ人が隔し刺青で日本地図を女の身体に彫り持ち出そうとする。
「日本というお国を売るんだ」というようなせりふがあるが、この当時そういう国家意識があったのかどうかは甚だ疑問。ではあるが、まあこういうのはいい。
冒頭は前回を引き摺ってか、また百万坪(夢の島のようなゴミを捨てて東京湾を埋め立てた場所)で死体が見つかるというもの(前回もあった)。

第7話 「佐渡からお中元をどうぞ」
佐渡金山に江戸から連れて行かれ酷使され仲間が大勢亡くなった男がその恨みを晴らすため仇吉に依頼。金が江戸に運ばれる最中にそれを奪い取るという話。江戸を離れての旅もの。蔵に納められるはずの金を奪うため隣から穴を掘り忍び込む手筈。その穴掘りが見つからないようにと三味線を弾く。今シリーズ、山田五十鈴が三味線を弾く場面がとても多い(1話に1回はあるように思う)が、今話は特に多い。ラストでも宿場町の盆踊りに駆りだされお囃子をする場面もある。
冒頭は現代のかき氷の情景でそこにとんぼがいるが、仇吉の声がとんぼを呼び、次の場面では江戸時代へ。このかき氷は今話のラストの「お氷番」のエピソードへ繋がる。この「お氷様(おこおりさま)」は暗闇仕掛人・第7話ではメインストーリーとして扱われたが、そこでは「御雪さま」で富士山から雪を運び出しているが、今話では信濃国の湖から取り出した氷である。

第8話 「私ハ待ッテル一報ドウゾ」
ヤス - 荒砂ゆき
せん - 西崎みどり
天斎 - 梅津栄
西崎みどりはとんぼの友だちのおてんば娘。前半はかなり出番が多いが中盤で殺されてしまう役。
梅津栄は酔っ払いで潜りの医者。
荒砂ゆきは必殺でよく見る顔で特徴があり印象深い。大抵相当の悪役。ここでもそういう役で、またラストでは彼女をめぐるやり取りはかなり出来が良い。
冒頭は「現代」のテレビスタジオ。家出人の公開呼びかけ。そこにからくり人は絡まず、江戸時代の情景になり、本所の橋の袂の尋ね石が紹介される。そこには尋ね人の張り紙がたくさんあったと言う。
人攫いに会い、10年後見つかった越前屋の息子・彦市。その息子とせんは幼馴染。せんはその帰ってきた彦市を疑うが・・・。
ラストで藤兵ヱが彦市を操っていたヤスを殺すが、そこで彦市がヤスが自分の母親であることを告白。藤兵ヱは唖然。殺されて良かったと言うものの藤兵ヱのおれのとこに頼って来いという言葉に母親を殺したやつのところなんか行けるかと叫び駆け出して行ってしまう。
最後には尋ね石に藤兵ヱの名で息子を探す張り紙が。

第9話 「食えなければ江戸へどうぞ」
時次郎が出ていない
冒頭は仇吉の三味線、それに続き仇吉と藤兵ヱのせりふのやり取り。ここで最後に仇吉が「この国はまだまだ貧しいんだねえ」みたいなセリフがあるが、外の国の事情を知らない江戸時代の人がそんなこと言うかねえ。
その後ナレーションで江戸への人口流入の話があり、そして「現代」の通勤の様子や都会の喧騒が映し出され、都会への人口流入は農村の過疎化を生み出すというのは今も昔も同じみたいな説明がある。
幕府が「人返し」という政策を打ち出し取り締まる。その際にはぐれてしまったおすえを捜す弥助がおすえを捜して欲しいという依頼を仇吉に持ち込む。
探ってみると、口入屋の高田屋と女衒の吉五郎が絡んでおり戻し屋という裏稼業をやってることがわかり・・・。
描き方としては途中出てくるおすえが完全に自分の意思で女郎屋に身を沈めており、助ける必要があるのかという疑問がある。

第10話 「お上から賞金をどうぞ」
円蔵 - 山本麟一
山本麟一は岡っ引きで悪役。たっぷり芝居している。
時次郎の出番は少ない。この後は第11話と最終話が出演なし。これは多分スケジュールの都合なんだろうけど、辻褄合わせのように出てくるのはちょっと萎える。
冒頭は「現代」の教会での結婚式の情景で、そこからキリシタン弾圧へと話をつなぐ。このテーマは時代劇でよく扱われるが、いまの時代を考えて、当然弾圧側は悪と描かれる。これも弾圧側を善とは描いていないが、キリシタン側を善とも描いてはおらず、というか、登場人物にキリスト教に殉じようとする信者はいない。キリシタンを捕まえると賞金が出るとあって、証拠をでっちあげる話。
同郷の米吉と兵作。米吉の密告により円蔵に兵作が追われ鐘楼から落ちて死んでしまうのが発端。話の展開から米吉の家族がキリシタンだと察せられる。兵作のお父さんもなのかな。ちょっとセリフが聞き取れない、また、意味がよくわからないところがあってわからないが。
仇吉のせりふでキリシタンに対する評価が揺れる面が見える。キリシタンも悪くないんだけどねえというようなものと、自分の身内がキリシタンと疑われたらどうなるかわからないのというのとがある

第11話 「私にも父親をどうぞ」
妻木良正 - 藤岡重慶
山田五十鈴のワンマンショーのような作品。他のからくり人の出番はとんぼ(とんぼはストーリーに絡むので出番は多い)を除いて極端に少ない。
仇吉の過去が語られ、とんぼの父親も明かされる。必殺シリーズの中で山田五十鈴の出番が一番多い作品ではなかろうか。
ウィキに時次郎の出演はなしとなっているが、一応ラスト近くに、今シリーズ前半でよく出てきた歌いながら枕を売る場面が挿入される。過去の映像の使いまわしかもしれないが。そして一応キャストクレジットにも名前は出ている。
この話以降は冒頭の「現代」場面はなし
第6話と矛盾があるとウィキにはあるが、どういうことだろう。長崎屋というのが両方に出てくるからそこらへんのことかしら。
山田五十鈴は「仕事人」でのりくのイメージが強く、今シリーズでもそれと同じようなキャラクター。唯一無比だと思うが、それ以外の役柄というのがイメージできない。映画も見たことないしな。そういうことから考えると今話での仇吉の昔の姿というのは興味深い。幸せそうに笑う姿なんていうのもあまりこれまで見てないのだ。ただちょっと気色悪く感じてしまったが。ああ、そういえば山田五十鈴の最初の必殺へのゲストでの登場のときは、二枚目の女たらしに振り回される役だったな。これも必殺の他の回では見ない役柄だ。


第12話 「鳩に豆鉄砲をどうぞ」
鳥居耀蔵 - 岸田森
しぐれ / アキ(二役) - 赤座美代子
赤座美代子というのはちょっと桃井かおりに似た雰囲気。
前作は仇吉主役で過去が語られているが、今話は時次郎の過去が語られる。が、こちらは緒形拳の出番は少なめで、中盤まではからくり人グループから姿を消した時次郎の足跡を辿るという形で描かれる。後半で時次郎が曇りと鳥居たち幕府の要職を狙うという展開になる。ここはさすがに時次郎の出番となる。銃での狙撃という方法であり、結果は失敗。時次郎は天平の家から盗んだ爆薬で自爆。
時次郎の映像を丹念に追うと、ひとりの場面が多く、いくつかは他の人との場面(赤座美代子との芝居など)はあるが、からくり人レギュラーとの絡みはなし。序盤でとんぼが時次郎を追いかけ見送る場面はあるにはあるが、同一画面に映ってないので別撮り可能。後半も遠いところからの狙撃という
手法のため、別撮りが可能。というようなことことから考えると、これもスケジュールの都合だろうと思われる。

第13話 「終りに殺陣をどうぞ」
第12話を受けてのストーリー。曇りと全面対決となる。
過去の回想という形で時次郎も前の元締・壷屋蘭兵衛も出てくる(両者ともクレジットはなし)
そこを見ていて気付いたが、からくり人グループは全員一緒に島抜けしたという設定のはずだが、その島抜け場面の映像(シリーズ中何回か使いまわされる)では一人足りない。最初に映ってるのは誰だろう、天平か蘭兵衛か。天平だろうな。
曇りと対峙するラストでちょっと微笑んだような表情が素晴らしい。
ラストではとんぼが明治初期に清元の名手・のぶじゅとなったと語られ、山田五十鈴が「のぶじゅ」として三味線と歌を。
全体を見ての印象であるが、後半にそういう作品が多いという影響もあり、山田五十鈴の傑作と思える。彼女はこの後、仕事人でも重要な役割を演じるのではあるが、山田五十鈴を楽しむにはこの作品が良い。

秋刀魚の味 [映画]

1962 日本 B
12/24(木) 13:00 NHKBSプレミアム|115分

小津監督の遺作
彼岸花や秋日和と同じようなテーマの作品でかつ、似たような作り。セットが同じような場面がいくつか見られ、またお馴染みに場面、お馴染みの役者も見られる。中村伸郎、北竜二が主人公の旧友(今作品では佐分利信ではなく笠智衆だが)とかその3人の行きつけの店の女将が高橋とよだとか。
中村伸郎は東京物語では笠智衆の娘の旦那。年齢は役で演じ分けてるのだが、ここらへんを見ると作品内の年齢設定はどうなってるかいくらか疑問が湧く。ほかにも、東野英治郎がここでは笠智衆の恩師だが、東京物語では旧友である。
年齢設定といえば、中学卒業後40年で恩師とのクラス会を行うのだが、そうすると笠智衆たちは50代後半くらいの設定なのかな。調べてみると旧制中学卒業は17歳のようであるから、57歳の設定か。東野英治郎がその10くらい上ってとこか。東野の娘役が杉村春子で、笠智衆の娘役が岩下志麻。笠智衆と岩下志麻がこの作品の主役でもあり、この二組の親子対比が映画のテーマでもある。
この作品では脇役ではあるが、岸田今日子と加東大介が怪演とも呼べそうな存在感。
岡田茉莉子の(当時の)現代風な喋り方も魅力的。

結婚の考え方に対する現代との差を感じる。

最近は色々と気忙しく、映画を見るときも他のことが気に係り、途中で中断したり、あまり真剣に見ていなかったのだが、この作品と東京物語はほとんど中断もせず、また聞き取れなかったり、意味が分からなかったりで巻き戻して見たりというのもほとんどなく一気に二本見た。それだけわかりやすく、面白い

東京物語 [映画]

1953 日本 B
12/23(水) 13:00 NHKBSプレミアム|138分

以前、山田洋次の「東京家族」を見ており、それはこの作品のオマージュであるのだが、設定がかなり似ており、それゆえ見やすかった。想像してたよりずっと東京家族は似せて作ってあるのだなと感じ、それゆえ図らずもどこらへんまで似せているのか、どこらへんが違うのかを辿りながら見るという感じになった。
主な大きな違いは、東京物語にいる大阪に住んでいる息子、田舎に両親と同居してる娘が東京家族ではいない。田舎に住んでいる娘は親に比べて若すぎて不自然に感じるし(東京家族では隣家の娘がその代わりになっている)大阪に住んでいる息子はあまり意味がないようにも思えるから、そういうことで削ったように思う。時代を現代にしている。といってもどっちも制作当時の現代ではあるのだが。そして東京物語での次男の戦死とその嫁という設定は大幅に変えている。こんなところか。ホテルへ行かされるとかそこで母親が調子が悪くなるとか、そんなところまで同じに作ってあるのかと驚いた
見る以前からこの映画の紹介で何度か見ていた場面がいくつかある。笠智衆の「暑うなるぞ」。原節子の「わたしずるいんです」という台詞。後者は、この部分の解釈がこの作品のポイントだろうと思う。ちょっと自分にはわからなかったが。
杉村春子が長女役で光る。たくらんでいるわけでないが悪役。決して悪気があるわけでないが親を邪険に扱う女。でも親子ってこんなもんじゃないかとも思う。ラスト近くの紀子の京子に対する台詞でもそれは表れている。
これ登場人物は何歳くらいの設定なんだろう。両親と京子の年齢差がすごいことになってるような気がする。

監督は小津安二郎。
笠智衆と東山千栄子が夫婦役。
長男役は山村聰。大坂志郎が三男役、香川京子が次女役。大阪に住んでるから大坂志郎、香川京子は役名が京子。ここらへんは狙ってるのかな、まあ大阪は関係ないかと思ったが、以下ウィキ--
大坂の役は大阪の国鉄職員であるが、台詞に出身地の秋田訛りが抜けず、リハーサルを何度も繰り返したという。ついに『俺は、大坂志郎だから大阪弁が得意だろうと思ってお前をつかったんだ。それなら山形志郎と改名しろ』と小津に激怒され、大坂は号泣したという(『東京物語』LDおよびDVD・副音声の斉藤武市の証言より。「秋田」ではなく「山形」であるのは発言そのまま)。
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これは最初からの放送予定のものだが、原の訃報が流れたすぐ後の11/29の13.30からも放映されているようだ。その前日の放送である「炎のごとく」の録画を見ていたら、終了後に予告が流れていた