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奇跡のシンフォニー [映画]

2007 アメリカ 評価S
06/26(月) 21:00 -
NHKBSプレミアム|115分

素晴らしい出来。序盤でとても良い場面が多く、最後までもつかと心配だったが、ダレることなし。ラストシーンも完璧。
ファンタジー作品でまあ現実にはあり得ない設定である。
天才的音楽の素質を持つ少年、エヴァンの物語。この両親も音楽家なのだが、両親は一度出会ったきり。エヴァンも不幸にも手放さざるを得ない状況になり、3人は離れ離れに暮らしているとう状況。
エヴァンは施設に入っていて、その様子と、両親の馴れ初めが交互に描かれるのが序盤。
父親であるルイスはロックミュージシャン、母親であるライラはチェロ奏者。ある晩、両者は別の場所で演奏をしている。ここでルイスの歌にライラの演奏が共鳴していくところはなかなか良い、そしてこの演出はラストにもある。
二人は同じ店に演奏の打ち上げで訪れ、二人ともが店を抜け出したところで出会う。この場面ではヴァン・モリソンの「ムーン・ダンス」を男が歌う。
エヴァンの方は施設を抜け出し街に出る。ここで街中の音(音楽でなく)に反応していくエヴァンの表情が素晴らしい。まず店先に売ってる打楽器(調べてみたがウィンドチャイムというやつかな)、そして地下鉄の音、スケートボードの音など。
ストリート・ミュージシャンをやっている少年アーサーと出会い、アーサーが身を寄せている街で家出少年少女を集め金稼ぎをしているウィザード(演じるのはロビン・ウィリアムズ)の許で世話になることになり、ストリート・ミュージシャンを始めるがウィザードはその才能に驚愕し、彼を「オーガスト・ラッシュ」と名付け売り出しにかかる。その後はエヴァンの様子と両親のその後がまた交互に描かれ、現在(エヴァンの活動している作品内の現在)3人は離れ離れながらも元気に生活していることがわかる。
そして3人の再会に向けての話が後半。エヴァンはウィザードの許を抜け出し、ジュリアード音楽院になぜか入学することになり、セントラル・パークでのコンサートで演奏される曲にエヴァン(ここでもオーガスト・ラッシュの名)の曲が選ばれることになる。演奏会の練習中にウィザードが登場しエヴァンを取り戻し、エヴァンはまたストリート・ミュージシャンに戻る。そこで演奏しているときに父親とそれとは知らずに出会い、ともにジャム・セッションを始める場面、とても良い。また、エヴァンがやはりどうしても演奏会に行きたいとウィザードに決別を宣言し逃げ出す場面でアーサーが加勢するところも良い場面だ。
ラストは演奏会。途中でもそういうセリフがあったのだがライラが音楽を辞めているのにNYフィルから競演を申し込まれるというのはちょっとあり得ないかなと思う。が、なぜかこの演奏会にもライラは呼ばれて(ライラがジュリアードの卒業生だということがコンサートの挨拶でわかる)、エヴァン(オーガスト・ラッシュ)とライラの競演ということにもなる。まずはライラの演奏。そこに、同地に来てライブをやっているルイスの歌声がシンクロしていくという序盤と同じ演出。
エヴァンの演奏曲は、楽器ではない色々なものが音を奏でるところから始まるという、序盤の音楽でなく音そのものに反応した彼ならではのもの。序盤の場面で出たウィンドチャイムらしきものが出てくるのも良い。そしてラストに向かう。ここで処理が難しそうでどうするのかなと思っていたのは、3人がそれぞれ再会するということ(といってもエヴァンが生まれるところはルイスは当然知らないがライラさえ知らないという状況で再会という言い方はできないが)。物語で二者が再会し感動の場面というのは普通であるが、3者でそれぞれが再会するというのは難しい。例えばここで、ライラとルイスが再会したとき、そこでそれなりの感動があるはずで、大げさな演出がしたくなる。が、そんな風にやると、ライラとルイス、ライラとエヴァン、ルイスとエヴァンと連続してやらなきゃならなくて、それはどうやっても飽きてしまう。
そこらへんもとてもうまくやっていて、完璧なラスト。指揮をしているエヴァンに向かって会場をそれぞれ別々に前に進むルイスと、エヴァン、だいぶ前に進んだところで、二人は気づき、見つめあい、そしてまたエヴァンに視線を注ぐ。演奏を終えると(まだ演奏が終わってないよう思えるが)、エヴァンは客席に顔を向け、二人に視線を注ぎ、をれを二人は見返す。エヴァンが空を見上げて終わりとなる。

途中でチラリとロビン・ウィリアムズかなとは思ったが、新しい映画だと思い込んでいたので、違う人だと思っていた。終盤になり、やはり似ている、そして、そこまで新しい映画じゃないはずと思い出し、やっぱそうかなと思っていると、やはりそうだ。ウィザードという役名もファンタジー作品である今作にふさわしい。ロビン・ウィリアムズという人はどの作品でも似たようなそして独特の演技をするが、ここでも役そのものはありがち(親のいない街で暮らす子供を食い物にする大人、時代劇なんかでもよくありそう)ではあるが、彼ならではのもので良い。
ちなみに、これはわりとどうでもいいが、放映後にNHK独自でキャストやスタッフのクレジットがあるが、今作では主人公のフレディ・ハイモアとロビン・ウィリアムズだけがキャストでは出ていた。いやいやエヴァンの両親の役のほうが大きい役でしょうに。
父親役のジョナサン・リース=マイヤーズという人は、ソングクレジットによると作内で歌っている歌も本人がちゃんと歌っているようだ

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